仕事のコミュニケーションにまつわる本は多いですが、
本書は、「1対1の面談」に特化した比較的珍しい内容になっています。
大抵は、マネジメントサイドから見た部下という切り口がほとんどですが、
部下から見た上司という視点が盛り込まれているため、
特にマネジメントサイドの担当者には必見です。
コミュニケーションを円滑にするためのテクニックも
勿論含まれていますが、本質はそこじゃなくて、
結局は部下と上司で十分な信頼関係がないと対話できないし、
円滑なコミュニケーションは成り立たないし、
自走できるメンバーの育成にはつながらない
的な気づきを得られる内容になっています。
本書で紹介されているYahoo!の取り組みでは、
面談は上司が話すのではなく、部下に話させ、
話の中で自分の課題やその解決策を見出して行くことが大事。
とあります。
面談=「上司の思いをぶつける場」であっては本末転倒
「傾聴」と「的確なアドバイス」を優先すべき。
でも実際のところ多くの企業は、そういった場になってしまっているか、
もしくはそもそも面談の機会すら与えられていないような気がします。
仮にすべてのメンバーが自走できれば、マネジメントなんて不要だし、
その方が上司もきっと楽なんでしょうけど。